記事一覧
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- 人間ドック、コース料金・費用の相場、そして健康保険
- 人間ドック、受診のポイントと、生活習慣病予防への活かし方(1)
- 人間ドック、受診のポイントと、生活習慣病予防への活かし方(2)
- 人間ドック 新基準値のポイントと注意点
- 脳ドック、その概要と費用、人間ドックとの関連について
- 抗加齢ドック~主な検査項目と料金・人間ドックとの関連
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・特定健診と特定保健指導 3分でポイント理解
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抗加齢ドック~主な検査項目と料金・人間ドックとの関連
アンチエイジングとの兼ね合いで、近年じわじわと脚光を浴びてきている「抗加齢ドック」をご存じでしょうか。
抗加齢ドックは「アンチエイジングドック」と呼ばれることもあります。
正確な数こそ不明ですが、人間ドックに併設する医院やクリニックなども全国で少しづつ増加しているようです。
・抗加齢医療について相談したい(日本抗加齢医学会)
抗加齢ドックは、検査を通じて加齢・老化の体質的傾向を把握し、加齢によって身体に生じるさまざまな変化の兆候を、早期に見つけ出そうとするものです。
それにより、食事や運動・ストレスケアなど、生活習慣全般の改善指導を行って、加齢による病気が出やすくなる40~60歳代の健康維持と将来の病気の予防につなげることを狙いとしています。
病気の早期発見・早期治療を主な目的とする「人間ドック」に対し、いわゆる「未病」の段階で早期対応による予防を目指しているのが「抗加齢ドック」です。
抗加齢ドックは、血中の検査項目が多岐にわたっている(綿密な血液検査)ことが特徴的です。
血中内のコレステロールや中性脂肪・活性酸素の濃度などを細かく調べます。
また血管の老化度(いわゆる「血管年齢」)の測定や、動脈硬化になりやすい体質かどうかなどをチェックするための「頸動脈エコー(超音波)検査」などが行われます。
抗加齢ドックの他のメニューとしては、脳年齢や骨密度の検査、筋力の状態検査・ホルモンバランスや免疫バランスの検査などを主な検査項目にしている施設が多いようです。
他にがんのリスクを測るための「遺伝子検査」を、オプションで用意している医院もあります(遺伝子検査は、一般に検査費用が高額なため)。
検査結果が出揃うまで、通常は1ヶ月程度の日数がかかります。
受診後は検査データが渡されるのみならず、食生活や運動量・サプリメント摂取など生活習慣の改善にかかわるアドバイスを、同世代の平均数値との比較などを通じて専門医が個別に行います。
抗加齢ドックの検査料金は、医院ごと独自に用意するメニュー内容・オプション検査の有無、また人間ドックや脳ドックとの同時受診か否か、などによっても変わってきますが、基本メニューのみで5~10万円前後、オプションを充実させた検査で15~20万円前後で、料金設定している施設が多いようです。
ちなみに抗加齢ドックも脳ドックと同じく「自由診療」の位置づけとなるため、現状では「保険の適用外」です(脳ドック、その概要と費用、人間ドックとの関連について ご参照)。
人間ドックの受診時の数値がよかったから健康、ということでないのと同じく、抗加齢ドックの受診によって老化を食い止められる、という性質のものではありません。
しかし自分の体質や遺伝的傾向、血管や血液の状態を、客観的な検査による数値データとして把握できるため、抗加齢ドックを「将来的な発病のリスクを減らす羅針盤」ととらえるなら、日々の生活を見直すための強力な動機となるのは確かなようです。